展覧会
Nº 09 · 開催中

Le Monde
flottant.

Trois maîtres de l'ukiyo-e
会期
2026年1月17日 – 4月12日
会場
Galerie Yanaka, Tōkyō
絵師
Katsushika Hokusai · Utagawa Hiroshige · Kitagawa Utamaro
作品
38点
学芸員のことば

「浮世」とは、もとは物事のはかなさを説く仏教の言葉であった。それを商人の町・江戸は、いまこの瞬間、快楽、過ぎゆく現在への讃歌へと裏返した。版画はその民衆の芸術であり、何千枚も摺られ、一杯の蕎麦ほどの値で売られた。

本展は、この世界に住まう三つのありかたを並べる。北斎は見えるものの骨格を求め、波を山とし、富士を不動の一点とする。広重はその気配を、雨を、雪を、夕暮れの靄をとらえる。歌麿はその顔を探り、女の肖像をひとつの内なる風景に変える。

七枚の紙、ゆたかな余白。掛け方は「間」に従う。隔てつつ結ぶ、あの働く空白に。一八三〇年頃に西洋からもたらされたプルシアンブルーが、晩期の版画の色をまず冷やし、やがて帯電させた様を、ここに見ることができる。

ここへは、ゆっくり見るために来る。世は流れる。だが、それを見るには立ち止まらねばならない。

展示中

出品作品

複製はすべてパブリックドメイン。Wikimedia Commons より(メトロポリタン美術館、ボストン美術館、チェスター・ビーティー図書館、アムステルダム国立美術館)。

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